hitorime-logo
お役立ち記事個人の方はこちらサクッと相談資料ダウンロード
column-hero

インサイドセールスとは?1人目採用で立ち上げる基礎知識

更新日:2026.07.12

インサイドセールスとは何か、フィールドセールスとの違いから役割・KPI・組織設計まで基礎を整理。1人目採用を検討する経営者・人事向けに、立ち上げ手順とチェックリストを交えて実践的に解説します。

読んで欲しい方

  • インサイドセールス部門の立ち上げを検討しているスタートアップ経営者
  • 1人目のインサイドセールス採用を進めようとしている人事担当者
service-material-top

3分で分かる

「Hitorime」の資料を無料でダウンロード

Hitorimeであれば、様々な社内の1人目ポジションとして仕事に挑戦したい人材と出会い採用することができます。

インサイドセールスとは?1人目採用で立ち上げる基礎知識

「インサイドセールスを採用したい」と思ったとき、まず壁になるのが「何をする人なのか、フィールドセールスとどう違うのか」という役割の輪郭づかみです。しかし定義を理解した先にこそ、スタートアップ特有の難しさがあります。分業が前提のモデルを、1人で担える形にどう落とし込むか、最初の90日に何の指標を追うか、採用要件をどう言語化するか。本記事ではインサイドセールスの基本を押さえつつ、1人目採用・立ち上げという文脈に引きつけた実務的な判断基準を一気通貫でお伝えします。


インサイドセールスとは何か:「役割」で定義する

インサイドセールスとは、電話・メール・Web会議などの非対面手段を通じて、見込み顧客を商談に育て上げ、フィールドセールスへ橋渡しする営業プロセス上の役割です。「内勤型営業」という訳語が広まっていますが、場所の問題ではなく「マーケティングとクロージング営業の間をつなぐ機能」と捉えるほうが実態に近いです。

役割は主に2種類に分類されます。

役割英語表記対象リード主な業務
SDR(反響型)Sales Development Representativeインバウンドリード問い合わせ・資料請求後のフォロー・ヒアリング・商談化
BDR(新規開拓型)Business Development Representativeアウトバウンドリードターゲットリスト作成・架電・メール・アポ獲得

スタートアップの1人目採用では、SDRとBDRを1人が兼務するケースが大半です。「どちらを先にやらせるか」という優先順位設計は、採用前に経営者が決めておくべき重要論点であり、後述します。


なぜ今インサイドセールスが必要か:営業環境の構造変化

なぜ今インサイドセールスが必要か:営業環境の構造変化

インサイドセールスの重要性は「コスト削減」や「移動時間の削減」というミクロな効用の話ではなく、営業環境のマクロな構造変化から来ています。経営者が「うちに本当に必要か」を腹落ちするためには、この構造を理解することが先です。

顧客の購買行動のセルフサービス化

BtoB顧客は今、営業担当者に会う前にすでに多くの情報収集を終えています。企業の購買意思決定者の多くが、営業担当者と初めて話す時点で購買プロセスの相当部分を終えているという傾向(Gartnerをはじめとする各種調査で繰り返し報告されている)は、営業現場の実感とも一致するのではないでしょうか。問い合わせが来た段階でリードはすでに比較検討中であり、「気づいていない潜在層を訪問して掘り起こす」従来型の飛び込み・ルート営業モデルの前提が崩れつつあります。

フィールドセールスの稼働効率の限界

移動を伴うフィールドセールスが1日にこなせる商談数は、物理的に4〜5件が上限です。一方、インサイドセールスは質の高い見込み顧客に絞って渡すことで、フィールドセールスの商談成約率を高め、全体の営業生産性を底上げします。少人数のスタートアップでは「全員が何でもやる」体制が続きがちですが、創業者や営業責任者がクロージングに集中できる構造を早期につくることが成長速度に直結します。

専門分業化による組織の再現性

インサイドセールスを置くことで、「誰が担当しても商談が生まれる」仕組みの土台ができます。創業者の個人営業力に依存したプロセスは属人的で再現性がなく、採用・教育のコストが高止まりします。1人目インサイドセールスは、営業プロセスの「型」をつくる役割も担います。


スタートアップが1人目を採用する前に決めること:役割定義

スタートアップが1人目を採用する前に決めること:役割定義

採用前に役割を定義しないまま採用すると、入社後に「この仕事、聞いていた話と違う」という認識のズレが生じます。これはスタートアップの1人目採用で最も多い失敗パターンのひとつです。採用JDを書く前に、以下の3点を社内で合意しておいてください。

SDRとBDRのどちらを先に動かすか

1人目がSDR・BDR両方を担う場合、インバウンドリード(SDR業務)を先行させるのが原則です。理由は2つあります。

  1. すでに問い合わせてきたリードへの対応は成果が出やすく、立ち上げ初期の「成功体験の蓄積」に適している。
  2. インバウンドフォローを通じて顧客課題・ペルソナを体感的に理解してからアウトバウンドに移行すると、BDR業務の質が上がる。

マーケティングがほぼゼロでインバウンドリードが月数件以下という段階では、BDRから入ることも現実的な選択肢です。ただしその場合も、ターゲットリストの選定基準・架電後のトークスクリプトを経営者と共同で設計してから採用する、という順序を守ってください。

マーケ・フィールドセールスとの業務境界線

曖昧にしがちな境界を表にまとめます。

プロセス担当判断基準の例
コンテンツ制作・広告マーケティングインサイドセールスは関与しない
問い合わせ〜初回ヒアリングインサイドセールス(SDR)リード取得後48時間以内に接触
商談のアポ設定・日程調整インサイドセールス有効商談と判断したリードのみ渡す
提案・クロージングフィールドセールスインサイドセールスは同席しない(初期は)
契約後のカスタマーサクセスCSインサイドセールスの管轄外

この境界をJDに落とし込んでおくことで、採用候補者への説明が具体的になり、入社後のミスマッチも減ります。採用JDの作り方については求人票の書き方を完全解説!応募が集まるコツと法律に関する注意点とは?も参考にしてください。


1人目のKPI設計:最初の90日に追う指標の絞り方

「入社初日からKPIを全項目設定する」のは、スタートアップの1人目インサイドセールスには向きません。商談化率・有効商談率など結果指標を先に追おうとすると、トークやプロセスがまだ整っていない段階で数字だけを追いかけることになり、改善の手がかりがつかめなくなります。

フェーズ別のKPI設計例

フェーズ期間の目安追う指標狙い
立ち上げ期入社後30日架電数・メール送信数・有効会話数活動量の把握と行動習慣の定着
軌道修正期31〜60日有効会話率・ヒアリング完了率トークの質の改善・ペルソナ仮説の検証
成果測定期61〜90日商談化数・商談化率プロセス全体の再現性確認

最初の30日に「商談化率が低い」と焦って施策を変えても、そもそも架電数が少ないのか、ヒアリングが浅いのか、ターゲット選定がずれているのか、原因が特定できません。活動量の指標から積み上げることで、どのボトルネックを改善すれば商談化率が上がるかを論理的に追えるようになります。

数値の目安(インバウンドSDRの例)

あくまで参考値ですが、SaaS系スタートアップのインバウンドSDRが1人で追う現実的な水準は次のとおりです。

  • 月次の有効会話数:30〜60件(リード質・業種により変動)
  • 商談化率(有効会話→商談):20〜35%(フェーズや商材により大きく異なる)
  • 商談化数:月8〜15件(1人目の立ち上げ期の実績ベース)

ただしこれらの数値は商材・単価・ターゲット業界によって幅が大きく、「達成できなければNG」という絶対基準ではありません。自社の過去データや業界ベンチマークと照合しながら、90日のスコープで仮説・検証・修正を回すことのほうが重要です。


1人目採用要件:スタートアップで機能する人物像

1人目採用要件:スタートアップで機能する人物像

「インサイドセールス経験者を採れば安心」という考え方は半分正解で半分リスクです。大企業やトップラインのSaaS企業でインサイドセールスを経験した人材が、整備されていないスタートアップ環境でそのまま活躍できるとは限りません。1人目として機能するかどうかは、スキルと同時に「この環境への適性」で決まります。

マスト要件(必須)

要件採用JDへの記載例
未整備環境での自走力「ツール・プロセスが未整備の段階から自分で仕組みをつくった経験がある」
活動ログの記録習慣「架電・商談のサマリーをCRM等に自主的に記録・整理できる」
仮説・検証・改善サイクルの実行「数値を見てアプローチを自分で変えた具体的なエピソードがある」
曖昧な指示を具体化する力「上司の方針が不完全でも、自分で解釈して動き、後ですり合わせができる」

ベター要件(あれば加点)

  • SaaSまたは無形商材のインサイドセールス経験(1年以上)
  • CRM(HubSpot・Salesforceなど)の実務操作経験
  • トークスクリプトや営業フローを自分で整備した経験
  • SDR・BDR両方の実務経験

NG人物像(見極めで注意すべきパターン)

スタートアップの1人目として採用後に早期離脱・パフォーマンス不振につながりやすいのは、次のような特性をもつ候補者です。

  • 「ルーティンが整ってから動く」タイプ:「マニュアルはありますか」「KPIはいつ決まりますか」という質問が多く、自分でつくる意志が見えない。
  • 上位へのエスカレーション待ち傾向:問題が起きたときに自分で判断せず常に報告・許可を求める。スタートアップでは意思決定が遅れることが直接の損失につながる。
  • 前職の「型」への強い依存:「前の会社ではこうだった」という比較が多く、現環境への適応より前環境の再現を求める傾向がある。

面接では行動特性を確かめるBehavioral Question(行動面接質問)が有効です。「プロセスが何もない状態で新しい業務を立ち上げた経験を教えてください」「自分の判断が間違っていたと後で気づいたとき、どう対処しましたか」などの質問を使い、具体的なエピソードと行動のパターンを確認してください。

採用基準の設計については採用基準の決め方とは?失敗しない項目設定と運用時の注意点、採用プロセス全体の設計については1人目採用大全も参照ください。


まとめ:インサイドセールス立ち上げの成否を分ける問い

記事全体の要点を整理します。

  1. インサイドセールスは「場所」ではなく「役割」で定義する。 マーケとフィールドセールスをつなぐプロセス上の機能として捉えることが、正しい採用要件の言語化につながる。
  2. なぜ今必要かは構造変化から語れる。 顧客の自己情報収集化・フィールドの稼働効率限界・営業の再現性確保という3つが、単なるコスト論より本質的な根拠になる。
  3. 採用前に役割の境界線と優先順位を決める。 SDR先行かBDR先行か、マーケ・フィールドとの業務境界はどこかを決めずに採用すると、入社後にズレが生じる。
  4. KPIは結果指標より活動指標から始める。 最初の30日は架電数・有効会話数などプロセス指標を追い、ボトルネックを特定してから商談化率に移行する。
  5. 1人目の適性は「スキル」と「スタートアップ環境への耐性」の両方で見る。 整備された環境での優秀さと、ゼロからつくれる自走力は別の能力である。

次に取るべき一歩:この記事を読んだ後にやることは、「SDR優先かBDR優先か」「マーケとの業務境界線はどこか」の2点を社内で言語化することです。その2点が決まれば、採用JDの草案は書き始められます。


Hitorimeはスタートアップの1人目人材と採用企業をつなぐ転職サービスです。インサイドセールスの1人目採用のように「役割定義からジョブディスクリプションの言語化、候補者の見極め、オファー設計まで手が回らない」という相談を多くいただいており、1人目採用ならではの難しさに伴走しています。採用要件の整理や候補者との接点づくりでお困りの場合は、hitorime.netからお気軽にご相談ください。本記事は山下雅弘監修のもと作成しています。

service-material-top

3分で分かる

「Hitorime」の資料を無料でダウンロード

Hitorimeであれば、様々な社内の1人目ポジションとして仕事に挑戦したい人材と出会い採用することができます。

監修者

yamashita-profile

株式会社APILLOX 代表取締役

山下 雅弘

大阪大学大学院中にインターンとしてエンジニアとしてのキャリアをスタート。大学院卒業後、AI自動テストツールの開発を行う会社にエンジニアとして入社。1年半後にフリーランスとして独立、さらに1年後に株式会社APILLOXを創業。1人称で開発してきたHitorimeを2025年1月にリリース。自身も一人目エンジニアや一人目経営企画として事業の立ち上げに深く携わる中で、「一人目」というポジションは非常にチャレンジングでありながら、早期にリーダーシップを経験でき、大きな裁量を持って自らを成長させられるキャリアだと確信。この実体験こそが、一人目人材と採用企業をつなぐHitorimeを立ち上げた原点となっている。

関連記事